標準的運賃で次の一手へ
東京都トラック協会(水野功会長)
は、「標準的運賃」の届出をした会員事業者が収受の実現に向けて実践するため、
「標準的運賃の活用状況に関するアンケート」を実施して、
次の一手となる取り組みについて検討していく。
物流の2024年問題への対応の前提となる「標準的運賃」は、
「適正原価」に発展することとなったが、
具体的な枠組みの提示や新法が機能するまでには少なくとも数年を要する見込みから、
改めて標準的運賃について理解を深め、収受に向けた行動を促していく方針だ。
行動に向け実態調査実施
東ト協物流政策委員会(三村偉一郎委員長)の下に設置している運賃・料金適正化検討小委員会
(下川悟委員長)は 8月1日、東ト総合会館で小委員会を開催し、
標準的運賃の活用状況に関するアンケート案およびアンケート調査の実施スケジュール案について審議・了承。
物流政策委員会の三村委員長、下川・ 中島秀治両副委員長が小委メンバーを務めることから、
委員会としてアンケートの実施を了承した。
アンケートの回答は、 8月6日から20日まで、 東ト協ホームページの専用アンケートフォーム(二次元コード参照)から
受け付ける。実施に当たり、物流政策委員会委員をはじめ、常任委員会委員、支部長、事務長、専門部会員等に対して、
アンケートへの協力を要請し、支部会員や部会員からの回答を募る。
アンケートの項目は、標準的運賃の理解度をはじめ、標準的運賃の提示・収受状態、ドライバーの賃上げ・充足状態、
燃料サーチャージの状況などに加え、会員事業者が標準的運賃で困っている事や必要なサポートについての意見を広く収
集する。
アンケート実施後、結果を取りまとめ、小委メンバーへの報告を経て、正副会長会へ報告する。
小委では、標準的運賃の取り組みのさらなる推進のため、 届出後の荷主などとの交渉状況を把握し、
会員事業者の質金上昇などの状況のデータに基づいて、 今後必要とされるサポートについて物流政策委員会で検討し
ていくことを確認した。
アンケートの実施に当たり、会員事業者の標準的運賃の届出率は95.7%となり、荷主との運賃交渉に標準的運賃や
自社運賃を提示し、希望額とはいかないまでも運賃値上を実現する事業者がいる一方で、運賃交渉を実施していない
事業者も存在するなど、標準的運食への理解、普及・浸透が進んでいない状況にある。
このため、標準的運貨届出後に運賃交渉へ臨む際の障壁を取り除き、交渉未実施の会員事業者には運賃・料金の値上げに
向けた行動を求めていくとともに、将来の物流危機の回避には値上げが必要となる状況を浸透させていく。
さらに、標準的運賃の取り組みの深度化を進めるとともに、数年後とされる適正原価に対応するため、情報の収集や
東ト協としての意見を集約していくことが必要とした。
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